ポルトガル産生ハムとは？

生ハムの歴史は古く、ローマ帝国時代から食べられている保存食です。イタリアでは「プロシュート」、スペインでは「ハモン」、ポルトガルでは「プレズント」と名前が変わり作られています。

現在では温度・湿度を管理する設備があれば世界中どこでも生産は可能ですが、昔は冬に気温が低くなり、夏乾燥する場所でしか製造する事が出来ませんでした。 弊社が扱っているポルトガル産生ハムはLourenço社が9カ月熟成した生ハムです。 １枚ずつフィルムで仕切られていて取り出しやすくしています。 お酒のおつまみに、サラダに様々な場面でお使いください。

【素材への拘り】

豚の品種：ランドレース種
ハムなどの加工肉には脂肪が薄く、赤身がしっかりしている品種が適しており、ランドレース種はこの条件に最も適した品種です。

塩：アルガルヴェの天然塩
アルガルヴェはポルトガル最南部の地方でキレイな水質の大西洋の海水から作られる天然塩を使用しています。アルガルヴェの天然塩はポルトガルで「塩の花」「白い金」と呼ばれる高品質の天然塩として知られています。

【高地での生産】

生ハムの熟成には昼夜の寒暖差が重要な要素です。寒暖差があることで生ハムの水分が平地よりも抜けやすく、肉質も締まる為、熟度の高い生ハムに仕上げる事が出来ます。

【低温熟成】

生ハムは高温で熟成されると塩気がつよくなってしまい、角の立った味になってしまいます。まろやかな味に仕上がるよう創業者家族に伝わる低温熟成製法で丁寧に作られています。

手作業での生ハム作り

1955年、ポルトガル内陸部のカステロ・ブランコ市で一組の夫婦が誕生しました―創業者のロウレンソさん夫妻です。当時のポルトガルは独裁政権下にあり、他国との交易もほとんどない閉鎖的な経済でした。陽気で忍耐強い国民性もあり、人々は貧しいながらも幸せに暮らしていました。新婚のロウレンソさん夫妻はまだ収入を得ていく術がなかったので、先祖から受け継いでいた豚肉加工の知識で商売をしようと考え、わずかな結婚祝い（900エスクード、当時の価値で約31ドル）を全て豚の購入に充てました。夫妻は豚を飼育し、カットして豚肉として販売し、また豚肉を原料とした加工品を作って販売する仕事を始めました。仕事は徐々に軌道に乗り、子供も生まれました。特に上手くいった商売が、当時国民に受け入れられるようになった生ハムでした。とはいえ当時はまだ電気の供給が十分ではなかったため、生ハムの仕込み作業は寒い冬に素手で行わなければならず、非常に大変でした。

そして1974年4月25日、ついに独裁政権が倒れ、ポルトガルは民主化されました－「カーネーション革命」として知られている出来事です。政治が民主化されたことで、経済も閉鎖的なものから開かれたものへの変化を始めました。

成長への一歩

ロウレンソ夫妻はこの経済環境の変化を見逃しませんでした。夫妻はビジネスをさらに成長させようと以前織物工場だった工場を買い、改修してポルトガルで初めて温度管理ができる生ハム製造施設にしました。ロウレンソ社の生ハムは既にポルトガルで有名になっていたので、夫妻はこれから生ハムの製造・販売に集中していくことにしました。子供たちも成長し、自然と父親のそばで働くようになり、仕事を一つ一つ覚えていきました。

1983年、ポルトガルはEC（ヨーロッパ共同体：現在のEUの前身）に加盟しました。他のEC加盟国との交易が進み、ポルトガル経済はさらに成長し、1985年にはポルトガルで初めて近代的なスーパーマーケットがオープンしました。また工場を作ったことで製造可能数量が増え、スーパーマーケット向けに生ハム卸売り販売を始めることができました。

時代のニーズへの対応～No.1への道のり～

生ハムの消費形態も経済成長とともに変化し、消費者はより小さいパッケージのカット済商品を好んで購入するようになりました。ロウレンソ夫妻はカット設備やパッケージ設備に投資し、消費者ニーズの変化にも対応してきました。その結果、ロウレンソ社は1985年当時から今でもスーパーマーケット向けの卸売りでシェアNo.1のマーケットリーダーとなっています。

ロウレンソ夫妻は2000年に会社の経営から退き、農園と会社を行ったり来たりするなどして過ごしています。ロウレンソ夫妻の精神、技術は子供たちに受け継がれ、今でも続いています。

そしてロウレンソ夫妻の生ハムは、ポルトガル国内だけでなく、ブラジル、フランス、カナダ、イギリス、スペイン・・・そして日本、今では世界にも輸出されるまでになりました。

ロウレンソご夫妻がご先祖より受け継ぎ、作り上げてきた伝統の味をお楽しみ下さい！